新生MANKAIカンパニーが有する団員寮の談話室に、朝の眩しい日差しが降り注ぐ。のどかな風景とはうって変わって、室内はざわめきに満ちていた。

「九ちゃん、十ちゃんの後を追いかけてきたんだね」

兄と同じ組に入りたいと告げる九門を、夏組の向坂椋が感激したように見つめた。

真意を推し量るように、劇団の主宰兼総監督の立花いづみがたずねると、九門ははっきりとうなずいた。

「うん。劇団のブログに新しい団員を募集してるって書いてあっただろ。オレ、オレ……秋組に入りたい!」

春組に新団員、卯木千景を加えて迎えた第四回公演を無事に終え、盛大に打ち上げが行われた翌日のことだった。早朝に突然寮を訪れた兵頭九門は、兄である兵頭十座と主宰兼総監督の立花いづみを前にして、自分を劇団に入れてほしいと言い放ったのだ。

「九門くん、劇団に入りたいって、本気?」

十座たちの従兄弟である椋は、九門とも幼少の頃から親しい間柄だ。

「夏組通り越して秋組に新しい団員か」

A3! 続・克服のSUMMER!

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